「勝者がすべてを奪う」のビジネス

2011.05.26

インターネットショッピングの市場が全体として拡大し続けている。楽天のようなショッピングサイトはブランディングとサイト管理が事業のメインである。これはちょうど百貨店の化粧品売り場と同じで、出店したテナントから出店料や、売り上げから一定額の手数料を徴収し、それを収益の柱にしている。楽天のように物流までサービスに組み入れようとしている事業者も現れてきているが、物流は基本的に出店者が担う。テナントの数や取引額が収益を大きく左右することから、事業者は、魅力あるサイト作り・運営(多くの消費者が訪問する)や業容拡大(出店・取引数増や新分野への展開)に専念する。それがブランディングである。リアル百貨店の「三越」「伊勢丹」「高島屋」などのブランドと同じで、そういうことから具だくさんのポータルサイト化に向かっていく。ただし、既存のリアル店舗とインターネットのショッピングモールとで大きく異なるのは、インターネットが、ID、パスワード、決済方法など個人情報を登録することで、ポータル内のさまざまなサービスを自由に利用できるようになる点である。逆に、一度登録したら、パワーユーザーはともかく、一般の利用者が別の事業者に移るのはなかなか困難になる。その結果、同じか同類のビジネスモデルであれば、?「最初にサービスを開始した事業者」や、?「最初に業容を拡大した事業者」が業界を席巻してしまう可能性がきわめて高くなる。つまりは、俗に言う「ウィナー・テイクス・オール」である。「勝者がすべてを奪う」のは、インターネットというよりもITの世界では珍しいことではなく、日本においては楽天市場が最初に?と?の要件を満たし、他を引き離してナンバーワンのショッピングサイトに一気に駆け上がった。