夫の家族とのつきあい方、自分の家族とのつきあい方

2011.07.14

夫の家族とつきあうのはむずかしい。皆がそう言う。私もその通り。なにしろ、夫の家族とは会ってまだ日が浅い。結婚してから始まった関係だから、できたてのホヤホヤだ。自分の家族に比べて、気を使うことが多いのも当然だ。妻が夫の家族との関係をスムーズにするために、やるべきことは山とある。人が人を理解するには、それ相応の時間と手間がかかるものだ。多くの人がその煩雑さに音を上げ、身をすり減らす。「夫の家族、とくに舅姑との関係がうまくこなせません。いったいどうしたらいいんでしょう?」という悩みを相談する投書は、主婦向け雑誌の定番と言いたくなるほどだ。喧嘩のできない相手だからこそ何年か前、ある女性雑誌で、読者から寄せられた葉書きやファックスを読み、それに答えるという仕事をしたことがある。そのとき、夫の家族との関係に疲れたという相談があまりにも多いのにびっくりしてしまった。乱れた文字で書かれた葉書きを前にすると、悩みの深さを突きつけられたようで、思わず「この人心配だから、電話してみましょう」などと口走り、編集の方にたしなめられたりした。けれども、私としては、悠長にかまえてなどいられないという気持ちになってしまう。それでなくても、夫の家族との関係は、喧嘩したら後々たたるとわかっているだけに、悩みが内に内にこもる傾向がある。言いたいことを言って、「あとはすっきり」というふうにはいかない。喧嘩が許されない関係というのは、喧嘩しているよりもやっかいなものだ。同じ他人でも、相手が夫となると、夫婦喧嘩しながら理解し合っていけるものだ。言いたいことをわめき、ときにはそこいらへんの物を投げ合ったりするうちに、思い違いが解決される場合も多い。夫婦喧嘩というのは本当に消耗するし、できればしたくないものの1つであるが、互いにわかり合おうとする熱意のあらわれでもあるのは確かだ。それに、しょっちゅう軋棒があったとしても、夫は自分で選んだ人である。しかし、夫の家族は自分の意思で選んだわけではない。結婚と同時に自動的に家族となった人たちだ。いわばチョイスを許されなかった相手である。これでは、妻が夫の家族との関係に悩むのも当然である。知り合ってまだ日が浅く、喧嘩することさえ許されず、自分の意思で選択したわけでもない人たちを家族として受け入れるのだから…。「ああ、こりゃあ、大変だ」と、ため息をつきたくもなるってものだ。とくに、これから結婚する人にとって、夫の家族との関係は、考えるだけでげっそりするような困難さを感じさせるものだろう。けれども、短気は禁物だ。時間はたっぷりある。最初からすべてがうまくいくはずがないと自分に言い聞かせ、ゆっくりじっくり事を進めていこう。それでも夫の家族が好きになれないときはこれは何も夫の家族との間にだけいえることではない。たとえば、あなたが誰かを好きになり、彼とつきあい始めたとしよう。あなたは最初から彼を完璧に理解できるとは期待してはいないだろう。丹念に、手間暇かけて、相手に近づいていこうとするに違いない。この姿勢を、夫の家族との関係にも取り入れればいいのだ。また、選択の余地なく、半ば強制的に家族になった相手とはいえ、お互いの間の距離を縮めることはできる。あなたがどうしても夫の家族になじめないのなら、むりやり仲よくするのはあきらめ、少し距離を置いてみてはいかがだろう。もちろん、好きになれれば、それに越したことはない。夫の家族は、あなたに愛する人を授けてくれた人たちだ。彼らがいなかったら、あなたは彼に出会えなかったわけで、その意味では恩人といってもいいはずだ。だから「私に夫を与えてくれた人」として感謝できたらお互いに幸福だと思うが、それはあくまでも理想である。

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