持ち主の人生が刻まれていくのが宝石なのに、日本の男性は奥様がいつどこで、どのようにして買い求めたのかは勿論のこと、どんな宝石を持っているかすらご存知ないのです。こんな男たちの無頓着と無関心をいいことに、女性たちは夫に内緒でせっせと宝石を買い求めているのが実情です。隠れて購入した宝石からは良いストーリーが生まれるはずもなく、パワーも発揮できないことはすでに述べたとおりです。もちろん、こうなったのは男性側だけの問題ではありません。女性の側にも工夫が必要だったのです。ご婦人方に一言いわせてもらえば、男性のパートナーに買って貰うときは、殿方を商品選びの主役にする演出をすることです。結婚前の交際期間や結婚当初だけでなく、孫の顔を見るようになるまでずっとそうして欲しいのです。男性から贈られた宝石はより一層のパワーを生み出すはずですから。宝石選びを面倒くさいと思っている男性は、生涯女心が分がらずに終わってしまうかもしれません。宝石は、自分で買い求めるより贈ってもらったほうが嬉しいものなのです。贈り主とのストーリーが深く刻まれた宝石こそ、持ち主に勇気と力を与える。これが、宝石の不思議でもなんでもない、理にかなったパワーなのです。日本の男性がパートナーの宝石にもっと関心を寄せるようになれば、この国の宝飾文化は格段に高まるに違いありません。日本人男性の美的感覚と物作りの精度を見抜く力が、メーカー側に反映されれば当然作品の品質は高まっていくことでしょう。見る目が厳しくなれば作り手は悠長に構えていられませんから、デザインや技術にしのぎを削ることになり、市場に出回る商品は確実に品格が上がります。