8月半ば、私は持病の不整脈が出て、寝ていても気分がすぐれない日々が続きました。肩が凝り、耳鳴りがし、目がチカチカして何かが飛んでいるようでした。新しい家の建築途中に、医師から入院だのペースメーカーを入れるだのといわれたらどうしようと心配していました。近くの散歩道を大きく手を振って歩き、体を柔らかくして、疲れないように、薬を飲み忘れないように注意しました。あんなに毎日活況を呈していた建築現場も、お盆休みで誰もいません。まるで放課後の学校のような寂しさです。でも、仮住居に戻っても何をする気も湧いてこないため、建築現場に整然と積み上げられた建材によじ登り、コロンと寝ころんで空を見上げました。「辛抱、辛抱。早くこの場所に戻って来られたらいいなあ」気がつくと、鳥のさえずりを聞きながら、そうつぶやいていました。夫と歩きまわり、検討に検討を重ね、ときには落胆し、喜んだときのことを思い出し、「もう家づくりも大詰めの段階にきているのだから、素敵な家に住めるまでもう少しの辛抱……」自分に言い聞かせたのでした。