少しずつでも確実に豊かに、幸せになってゆく

2011.08.03

子供が泣き虫だったり少々鈍かったりしても、心配することはありません。素直であれば大丈夫。時がくれば変わります。きっとお風呂の水が一杯になれば自然にあふれ出すように、その子は個性があふれ出すときがやってきます。どの時点で「水があふれ出すか」は、人それぞれでしょう。私の場合でも、ほんとうに自分がやるべきことに気づくまで四十年以上かかりました。そしてまだ黙々と歩くのみです。もしかしたら、一生あふれない人もいるかもしれません。それならそれでいいではありませんか。まず、素直なだけで十分です。素直な人は、他人を尊重して他人から知恵を学ぶことができます。周囲の人に上手にとけ込み、たくさんの人に協力してもらうことができます。だから、少しずつでも確実に豊かに、幸せになってゆくものです。それはそれで、とてもすばらしい人生と言えるのではないでしょうか。だとしたら、あふれない水を無理にあふれさせることはありません。むしろ、小さいころから自己主張の強い子供や、才気走った子供ほど、注意が必要だと思います。早いうちから自我が発達しすぎると、「学びとること」の邪魔になります。外から入る知恵や情報を拒絶してしまったら、成長はそこで終わりです。だから、絶対に子供をせきたてないでください。親の思いはかならず子供に伝わるものです。母親が「もっと機転のきく子になってほしい」と考えていると、子供は一生懸命、機転をきかせるようになる。「もっと意志を強くもってほしい」と思えば、何がなんだかわからないうちから意志表示をしようとする。それでは素直に伸びようとする子供の能力を小さな箱に入れてしまうようなものなのです。